大成建設(東京都新宿区)は10月9日、中堅ゼネコンのピーエス三菱に対するTOB(株式公開買い付け)を実施し子会社化すると発表した。買収額は約240億円。高速道路の改修工事などに強みを持つピーエス三菱買収で事業基盤拡充や効率化を図り、収益力を向上させる。
1株当たり1010円で、10日から12月11日まで買い付ける。ピーエス三菱株式の最大50.2%を取得する。筆頭株主のUBE三菱セメント(所有割合33.46%)と第2位株主の太平洋セメント(同9.48%)はそれぞれTOBに応じることで合意している。
大成は、ピーエス三菱と高速道路工事などの資材の共同調達を進めるほか、橋関連事業で重複した経営資源を、より競争力を持つ他分野に集中させる考え。洋上風力浮体基礎の共同研究開発にも取り組む。建設業界では来年4月から残業規制が強化されるため、人手不足やコスト増が懸念される「2024年問題」への対応も急務となっている。
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