日本ウッドデザイン協会(東京都港区)は11月9日、「ウッドデザイン賞2023」の最優秀賞「農林水産大臣賞」「経済産業大臣賞」「国土交通大臣賞」「環境大臣賞」と大阪・関西万博特別賞、優秀賞、奨励賞を合わせた上位賞31点を決定した。
同賞は、木で暮らしと社会を豊かにするモノ・コトを表彰し、国内外に発信するための顕彰制度。9回目となる今回は「大阪・関西万博 特別賞(国際博覧会担当大臣賞)」を新設。2025年4月13日~10月13日開催の2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン – Designing Future Society for Our Lives」の趣旨に基づいた優秀な作品を、ウッドデザイン賞の入賞作品から選出した。
「農林水産大臣賞」は、パワープレイス(東京都中央区)、社会福祉法人幸仁会 川本園(埼玉県深谷市)、木育・木づかいネット(東京都中央区)の協業による、『林業×福祉連携プロジェクト「森tebaco」』が受賞した。地域の林業、木材産業に消費者の関心を向けるきっかけとなる作品を、購買意欲をそそるクオリティ、優れたデザイン性で作り出した点が評価された。今後、同様の取り組みを進める施設のビジネスモデル、施設経営の良質なモデルになりえるとしている。
「経済産業大臣賞」は、ナイス(神奈川県横浜市)の『Gywoodテーブル用天板』が受賞。針葉樹の無垢材の表層部のみを圧縮、高密度化する技術で硬度や強度を向上させ、天板を取り換えるだけでオフィス等のデスクや会議用テーブルの木質化を促進する。木質化による炭素固定や杉の大径材の利用などで、社会課題の解決や花粉症対策としての杉の需要拡大にも寄与するとした。
「国土交通大臣賞」は、竹中工務店(大阪市)、西條産業(小樽市)、ようてい森林組合(北海道虻田郡)、ハルキ(北海道茅部郡)、協同組合オホーツクウッドピア(北海道北見市)の『北海道地区FMセンター』が受賞。亜寒帯気候地域における非住宅木造のプロトタイプを目指したオフィスで、各種の工法、技術開発に取り組むとともに、脱炭素化促進とウェルビーイングの向上の両立を企図している。道内の森林資源の活用促進を後押しし、非住宅分野の木造化、森林と都市のつながりが期待できるとして選出された。
「環境大臣賞」は、サカモト(宮城県柴田郡)の『森の麓の拠点「さとのえ」の取り組み』が受賞。都市生活を営みながら持続可能な暮らしを志向する子育て世代をターゲットに、モデルハウスを拠点に森林散策ツアーや森に親しむワークショップなどを地域の団体と連携して開催し、木と森への理解醸成に寄与している。建築でも、地理的な特徴や生態系など多様な視点から調査した結果を設計に反映。地域産材にこだわった施工、環境負荷低減、地域の産業活性化を満たす内容が評価された。
大阪・関西万博 特別賞「国際博覧会担当大臣賞」には、米山工務店(新潟県南魚沼市)『FARM FRONT seki_noen』、STUDIO YY(東京都中央区)『蒜山そばの館』、ムーンバランス(京都市)『ごはんや一芯 京都店』が選出された。
12月6日に「エコプロ2023」(東京ビックサイト)の特設ステージにて表彰式を開催。6~8日には「森と木のSDGsゾーン」内で「受賞作品展示」を行う。
上位賞受賞作品一覧はこちら。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。