ノーリツ(神戸市)が11月9日発表した2023年12月期第3四半期累計業績は、国内での需要低迷と為替の影響を受け、売上高が前年同期比3.6%減の1448億300万円に。価格改定により収益は改善したものの、原材料・物流費の増加分などが吸収できず、営業利益は同71.0%減の8億3200万円、経常利益は同74.4%減の10億1100万円。四半期純利益は株式売却分2億円も含めて同74.4%減の5億7300万円となった。
国内事業は、売上高が922億1500万円(同6.6%減)、セグメント損失は14億円(前年同期は9億4200万円のセグメント利益)。「ハイブリッド給湯暖房システム」の販売台数が前年比1.6倍に拡大したが、家庭用のガス・石油給湯機器が伸びず、売上・利益とも前年を下回った。一方、グッドデザイン賞を受賞したビルトインコンロの新商品「Orche」の販売台数が、調理アプリ「つなぐレシピ」との連携効果で出だし好調となっている。
海外事業は、売上高が525億8800万円(同2.3%増)、セグメント利益は22億3200万円(同16.1%増)。中国・北米エリアで暖房用給湯器の拡販により収益を確保。ニュージーランドでタンクレス給湯器やホームセンター向けタンク式給湯器の販売が順調に推移し、売上増に貢献した。
通期予想は、家庭用ガス・石油給湯機器の消費低迷などにより前回予想から下方修正し、売上高2030億円(同8.3%増)、営業利益43億円(同100.0%増)、経常利益47億円(同16.0%減)、純利益33億円(同31.3%減)を見込む。付加価値商品の拡販、生産システムや物流機能の見直しなどにより収益の改善に努める。
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