新築やリフォームの現場で日々発生する、建材・設備機器の発注業務に多大な手間を取られている人も多いはずだ。現場での管理や打ち合わせを終えてから会社に戻り、各社のカタログから品番を調べ、建材販売店にファックスを送信する…。そんな作業をスマホひとつで完結させるのが、TOPPAN(東京都台東区)が開発したアプリ「棟梁の目利き」だ。その機能や活用方法について開発担当者の門田晋一さんに聞いた。
多岐にわたる工務店の業務の手間を軽減
家づくりでは膨大な数の建材、設備機器を使用する。建て主へのヒアリングをもとに要望と予算に適した製品を各メーカーのカタログから選び、プランに合致したサイズ、必要な個数を調べ、建材販売店に納期を確認し、暗号のような品番をミスなくファックスに書き込んで送信する……そんな煩雑な作業を現場から会社に戻って残業しながらこなしているのが、地域工務店の日常だろう。
こうした手間やコミュニケーションの課題を解決すべく開発されたのがスマホアプリ「棟梁の目利き」だ。デジタルカタログを搭載しており、工務店は必要な建材、設備をタップして選ぶだけで操作は実に簡単。そのまま建材販売店に問い合わせ、見積もり依頼、発注などの連絡も行うことができる。
「工務店、リフォーム店では慢性的な人手不足。接客、現場管理、プラン・見積もり作成、資材や職人の手配まで、ひとりの担当者がこなしている例も数多い。多岐にわたる業務をこのアプリで効率よく進めてほしい」と門田さんは話す。
建材・設備の発注作業などについて、工務店では一日におよそ2、3時間ほど費やしている、と門田さんは指摘する。月に換算すると40時間にものぼる。会社に戻る移動時間も省けるため、ひとりで膨大な業務を抱える担当者の負担もかなり楽になるはず。特に、家族経営の中小工務店、スピーディーな対応を求められるリフォーム店などにお勧めしたいアプリだ。
利用料は月額2400円(税抜)。3人まで使用可能で、4人目以降は1人あたり800円(税抜)でアカウントの追加が可能。専用サイトで申し込み、パスワードを発行したのちにアプリをダウンロードすれば、その日からすぐに使える。導入しやすいこともメリットだ。
工務店だけでなく建材販売店にも大きなメリット
そんな工務店と切っても切れない存在といえるのが、建材販売店だ。独自に工務店やリフォーム会社を対象に調査を行ったところ、建材販売店への依頼方法は口頭や電話が一番多く、次いでメール、ファックスという結果だったと門田さんは話す。
「棟梁の目利き」は、工務店が選んだ建材や設備が、建材販売店にもシェアされる仕組みを追加開発中(近日リリース予定)。前述のように、工務店側からの情報次第では、建材販売店側が各種カタログを読み下しながらメーカー向けの品番を確認する手間も多い。電話やファックスでのやり取りがなくなり、情報が一元化できるため、建材販売店にとっても、よくある「言った言わない」問題を避け、業務改善につながる。
具体的にはどのような効果が見込めるのか。建材販売店の主な業務は、工務店からの引合い・見積もり作成・発注やデリバリー・事務作業など。「棟梁の目利き」では、業務の中でも特に負担の大きい、引合いと見積もり作成に関して、建材販売店スタッフ一人あたり、一日に2、3時間の業務改善が期待できると見ている。
「建材販売店にとっても大きなメリットがあり、実際にお試しいただいた会社から好評をいただいている」と門田さんは話す。
販売店機能の開発に合わせ、PCブラウザ版も近日リリース予定。工務店とペアで使用する機能はもちろん、今後は建材販売店の単独使用も可能になる。販売店むけシステム利用料は月額95,000円(税抜/予定価格)。
今後はカタログ機能に照明器具、外壁、リフォーム商品についても続々と収録が進められていく予定。また材木や、販売店のオリジナル商品をユーザー(販売店)自身が登録できる機能も搭載予定。多様な建材商品のニーズに応えるアプリになりそうだ。
(sponsored by TOPPAN)
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。