チラシを撒いてもダメ、ブログやSNSにも着手したが反応がない…。「何をやっても集客につながらない」とお悩みの読者も多いことだろう。WEBマーケティング企業、アババイ(愛知県名古屋市)では、1000社に及ぶ工務店を顧客に持ち、その豊富なデータをもとに戦略的に有効な集客方法を提案、さらにWEBサイトやSNSのコンテンツ作成までを提供している。社長の山本晋さんと取締役の渡久地美鈴さんにこれからの工務店集客の「未来」について語ってもらった。
数々の営業職を経て「いかに楽して人と話さず契約に至るか」を考え抜き、マーケティングと出会う。以後、マーケティングに人生を捧ぐ。気がつくと、従業員150人のIT企業の事業部長に。そして、また気がつくと、その会社が倒産。いやいやながらも、部下を引き連れて2006年に株式会社アババイを設立。工務店に特化したマーケティングをコツコツと積み重ね、現在までに1500社ほど会社を支援している。
大学卒業後にバンクーバーで経済学を学ぶ。2019年にアババイに入社し、デザイナー業務を経験。その後、2020年にSNS運用サービス事業を立ち上げ、インスタグラムの運用実績では100アカウント以上、30社以上のクライアントで1万フォロワーを達成。YouTubeの運用では30チャンネルを担当。2022年にはコンサル事業部で建築会社様20社を担当し、2023年にはコンサル事業部の責任者として最年少最短で取締役に就任。
アババイの設立は2008年。WEBサイトの制作からSNS運用、WEB広告の制作、WEBマーケティングと業務内容は多岐にわたる。これは「点ではなく面で攻める」という山本さんの姿勢の表れだ。「チラシを何枚撒いたとか、ブログをアップしたとか、そうした単発の発信では効果が薄い。どんな顧客層に向けてどのくらいのコストをかけて、どんな方法で発信するか。マーケティングの裏付けをもとにした戦略にしたがって、複数の手段を駆使して集客を図るのが当社のやり方です」(山本さん)。
旧来型の集客方法は効力が低下
アババイが推進するマーケティングをベースとする集客方法からみると、これまでの多くの工務店が取り組んできた集客方法の課題はどこにあるのか。山本さんは次のように指摘する。
「2013年に第2次安倍内閣が発足したあたりから、地場の工務店にとってはいい流れができてきた。旧来の施工業務に特化した下請け業としての工務店から、設計・施工をこなす“デザイン工務店”ともいうべき、元請けとしての活動する工務店のスタイルが各地で活発に見られるようになってきた」。
山本さんによれば、その原因はインターネットによる発信が増えてきたこと。WEBサイトやブログなどを通して地場の工務店の存在が顧客層に届くようになって、家づくりの依頼先としての選択肢に含まれるようになった。
その一方、顧客の情報収集の手段はインターネットに絞られるようになり、チラシや紹介などの旧来型の集客手段は効力を低下させていった。「今、集客に悩んでいる工務店様の多くは、そこの切り替えができていない」と山本さん。
現在はどの会社でもSNSや動画配信に着手しており、ただ闇雲に発信していても競合他社の中で埋もれてしまうだけだ。
「コストや対象、コンテンツなど全体を考慮に入れた戦略が必須。マーケティングを踏まえた運営をしていかないと、思うように集客を図れない時代になっています」(山本さん)
やり方次第で顧客に情報を届けられる
では、アババイではどのような戦略を立てているのか。「WEBサイトはあって当たり前。SNSの発信ももはや当たり前。ただやっているだけでは差はつかない。でもやり方次第でちゃんとお客様に情報は届けられます」。取締役の渡久地さんはこのように断言する。
基本は、集客対象との「接触時間」と「接触回数」を増やすこと。SNSを例にとると、1週間に1度投稿する会社と、毎日投稿する会社とで、顧客の認知度が違ってくるのは誰でも理解できるはずだ。「もちろんそれだけではなく、当社ではどの層をどのくらい集客したいのか、目的に合わせて、どの媒体にはどんな意図のコンテンツを発信していくのか、細かくミーティングして戦略を立てていきます。1本の投稿にも緻密な戦略の裏付けが必要な時代になっているのです」(渡久地さん)。
マーケティングとは、数字の意味を正しく理解、把握すること。それが基本にないと、必要なことをしていなかったり、逆に無駄なコンテンツに力を入れていたりと、いい結果に結びつきにくくなるというわけだ。
「特にいまは社会情勢の変化が激しく、SNSにしてもここ10年は主流になるサービスの移り変わりのスピードが早くなっています。SNSもひとつではなく、複数のサービスを目的をもって使い分けて総合的な戦略を組むというのが鉄則ですね」(渡久地さん)。
変化が激しいのは、建築業界も同様だ。性能をどの水準で設定するのか、建材や設備機器はどのような仕様を採用するのか、また施工体制はどのように準備するのか。ひとつの工務店ですべてをこなそうというのは大変に負担が重い時代だ。集客・発信面については、アババイのようなマーケティングのプロを利用するというのも、ひとつの選択肢として有効であるのかもしれない。
渡久地さんも次のように提言する。「まず自社の決算書と向き合ってください。自分たちのお金がどこに流れているのか。それによって集客がどうなっているのか。思い込みにとらわれずに事実を把握することです。もしかしたら受注棟数が減っているのは、集客以外の部分に問題があるのかもしれませんよ」
生き残りをかけて「未来」集客へ
「このままいくと、確実に住宅着工棟数は減っていくばかり。淘汰される工務店様も数多く出てくる。生き残るために、何を攻めてどう守るか。この攻守のバランスがカギになります。これはぜひお伝えしたいですね」(山本さん)。慣れ親しんだ「過去」から脱却し、「未来」の集客へと切り替えていく、格好の契機になりそうだ。
(sponsored by アババイ)
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