厚生労働省がこのほど公表した2023年「就労条件総合調査」によると、2022年に建設労働者に付与された有給休暇の平均日数は17.8日。このうち実際に取得できた日数の平均は10.3日、取得率は57.5%だった。前回調査(2021年度)の58.3%から0.8ポイント増えたものの、企業から付与された休暇のうちの7日分は利用できていない計算となっている。
全産業の平均では、付与された休暇は17.6日、取得した休暇は10.9日、取得率は62.1%で過去最高となった。政府が計画的な有給休暇の取得を推進していることもあり、この5年間の取得率は急速に伸びている。
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労働者1人あたりの所定労働時間は、全産業の平均で1日7時間47分、1週39時間4分。建設業は1日7時間48分、1週39時間27分で、全産業の平均並みだった。週休制については、「何らかの週休2日制」を採用している企業の割合は全産業で85.4%。「完全週休2日制」を採用している企業の割合は53.3%で、いずれも前年度より増加している。
労働時間の短縮に効果的とされる多様な働き方については、変形労働時間制を採用している企業が全産業で59.3%に上ることが分かった。このうち「1年単位の変形労働時間制」は 18.7%、「1カ月単位の変形労働時間制」は 22.0%、「フレックスタイム制」は10.6%を占めている。
「1年単位の変形労働時間制」は、1週間当たりの労働時間が40時間を超えないことなどを要件として、1年単位で労働日数や労働時間を配分する制度で、季節や工程などにより業務量が変動する建設業では、時間外労働の削減に有効だとされている。
退職給付制度に関する調査では、退職給付(一時金・年金)制度がある企業は、全産業で74.9%、建設業では82.9%となった。内訳は「退職一時金制度のみ」が67.0%、「退職年金制度のみ」が9.2%、「両制度併用」が23.7%だった。
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