阿部建設(愛知県名古屋市)は9月30日、清須市内に完成させた木造(在来軸組工法)一部2階建て・延べ床面積約267㎡の障害者福祉施設で、施設運営者(発注者)と共同で、施設利用者の家族や福祉分野の事業者、建築業界の関係者らを対象とする見学会を行った。利用者が快適に過ごせる環境が求められる中規模以下の社会福祉施設は、住宅のノウハウを生かすことにより、利用者・事業者の満足度を大きく向上させることができ、地域の工務店の積極的な参入が求められる分野だ。
約730㎡の敷地に建てた定員20人の障害者福祉サービス施設で、多目的室や訓練室、キッチン、浴室のほか事務室などの管理機能を備える。総工費は、敷地の造成工事などもあわせて約1億円。設計・施工ともに阿部建設が手がけた。外観は、周囲の景観になじむよう切妻の屋根を採用し、外壁などは落ち着いた色調でまとめた。施設内については、木造ならではの木の温もりが感じられるよう構造材の一部をあらわしたり、腰壁にスギの無垢材を張るなどした。
建設地がハザードマップで、水害時に3m程度浸水する可能性があるため、一部2階を設けて事務室や書庫などを配置。水害時に避難できるほか、9.9kWの太陽光発電設備を搭載していることから、非常用電源を確保することも可能だ。
温度むらのない温熱環境
同施設の断熱性能はHEAT20・G2を上回るUA値0.41W/㎡K(6地域)で、耐震性能は許容応力度計算による等級3。床下エアコンをメインにルームエアコンとの組み合わせによって全館空調を行う「パッシブ冷暖」を導入している。見学会で、同社専務の阿部恵彦さんは導入効果について・・・
この記事は新建ハウジング11月10日号3面(2023年11月10日発行)に掲載しています。
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