鶴弥(愛知県半田市)は、主力粘土瓦「スーパートライ110スマート(いぶし瓦)」において、アップサイクル型製品の企画・販売を開始した。
同社では、メインの生産設備である焼成窯(トンネルキルン)を24時間連続稼働しているが、メンテナンスなどのために年数回焼成を停止する。このメンテナンス後に焼成窯を再び必要な焼成温度(最高1130度)まで上げる工程で、焼成窯内部の温度分布を安定させるためにテスト製品を流している。ただし、このテスト品は焼成温度等の必要条件を満たさないことから製品ロスとして扱ってきた。
年間54トンの粘土瓦製品ロスが発生し、これまでは粉砕工程を経て原材料に再利用していた。
今回、いぶし瓦メーカーの創嘉瓦工業(愛知県高浜市)の協力のもと、こうした製品ロスを新たな製品としてアップサイクルすることに成功した。
鶴弥で発生したテスト品(半製品)を創嘉瓦工業の生産設備で追加工程を行うことにより十分に焼成して耐久性等の品質を確保。「スーパートライ110スマート三州純いぶし瓦」として受注生産する。
このアップサイクル型粘土瓦と、従来からの粉砕物の原材料への再利用を合わせ、同社で発生た粘土瓦製品ロスの再利用割合は100%を超えるという。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。