政府が10月27日に開いた「第12回技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」で、新たな外国人技能実習制度の創設に向けた最終報告書(たたき台)の詳細が明らかになった。新制度における転籍の要件など、前回会合(10月18日)での委員の意見などが反映されている。
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新制度の見直しに当たっては、①分かりやすい仕組みを作ること、②外国人の人権を保護すること、③外国人との共生社会の実現に資するものにすること―を重視する。また、▽人材確保と特定技能1号水準の人材育成を目的としたものであること▽キャリアパスを明確化し、新たな制度から特定技能制度への円滑な移行を図ること▽人権保護の観点から一定の要件下で本人の意向に沿った転籍を認めること▽日本語能力を段階的に向上する仕組みを設けることを―なども考慮する。
転籍要件「同一機関で1年就労」
転籍に関しては、同一の受入れ機関で3年間就労を続けることが望ましいとしつつも、①同一受入れ企業機関での就労期間が1年以上、②「技能検定」「日本語能力A1相当以上の試験」に合格している、③転籍先に占める外国人転籍者の割合が一定以下である―ことなどを条件に、転籍を認める。あわせて転籍支援や相談援助を含む支援・保護機能の強化や転籍制度の悪用を防ぐための措置も行う。
特定技能1号への移行については、新たな制度を経た場合は、「技能検定試験3級以上」「特定技能1号評価試験」「日本語能力A2相当以上の試験」への合格を移行の要件とした。新たな制度を経ない場合は、「特定技能1号評価試験」「日本語能力A2相当以上の試験」への合格が要件となる。試験に不合格だった場合は、同一の受入れ機関での就労を継続する場合に限り、最長1年の在留継続を許可する。
他にも自治体に対し、生活相談のための相談窓口の設置や、外国人の生活環境の整備などを求める。また送り出し機関の取締りを強化し、支払手数料の負担軽減や外国人と受入れ機関が適切に費用を分担する仕組みの導入を検討する。
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