信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、岸本建設(兵庫県洲本市)が10月26日付で事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことがわかった。負債は調査中だが、推定4億円だという。
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同社は、兵庫県や洲本市、淡路市などの官公庁からの公共工事を主体に、一般個人からの注文住宅建築工事やリフォーム工事も手がけていた。阪神・淡路大震災の復興工事が堅調に推移した96年9月期には年売上高約6億6000万円を計上していた。
しかし、官公庁からの発注は変動があり不安定であったほか、民間案件も淡路島内に限られていたことから業績は低迷。2021年9月期の年売上高は約2億5600万円にとどまり、収益面でも近時の建築材料費の高騰や人件費の上昇など物価高の影響を受け、赤字を散発し債務超過に転落するなど厳しい資金繰りを強いられていたという。経費削減などでしのいでいたが、先行きの見通しも立たないことから事業の継続を断念した。
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