国土交通省は、2023年12月13日施行予定の「特定空家等に対する措置」に関する省令およびガイドラインの改正案について、11月23日までパブリックコメントを募集している。改正案では空き家に対する措置について内容を充実させたほか、「特定空き家」または「管理不全空き家」を判断する基準となる、外観の特徴などについて明記している。
「特定空き家」で保安上危険とする基準については、倒壊につながるおそれがある建築物を対象とした。具体的には、①20分の1を超える傾斜、②著しい屋根全体の変形、③外装材の剥落・脱落、④著しい構造部材の破損、腐朽、蟻害、腐食、⑤構造部材同士のずれ―があるものが「特定空き家」に該当する。2階以上の階のみが傾斜している場合も同様に扱う。門・塀・屋外階段などについても著しい傾斜があるものや、上記④に該当するものは対象となる。
落下につながる(あるいはすでに落下している)ものとしては、外装材、屋根ふき材、手すり材、看板、雨どい、給湯設備、屋上水槽などで、剥落・脱落・破損、支持部材の破損・腐食などが見られた場合に「特定空き家」の対象とする。
衛生上有害とする基準では、①石綿飛散の可能性が高い吹付け石綿の露出、石綿使用部材の破損、②健康被害を誘発する汚水の流出、害虫、大量の腐敗したゴミ、動物の棲みつきや糞尿―などが対象となる。
他にも、▽管理不全により著しく景観を損なっている状態(山積したゴミなど)▽周辺生活環境の保全のため放置できない状態(汚水による悪臭の発生など)▽立木などによる周辺の建築物の破損・通行障害▽棲みついた動物などの鳴き声による騒音―なども「特定空き家」の対象とした。
「管理不全空き家」の特徴についても別途示している。例えば、このまま放置すると「特定空き家」となる可能性がある、構造部材の破損、腐朽、蟻害、腐食などが見られる場合は、「管理不全空き家」の対象となる。
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