温風や冷風を用いずに温熱環境を整える放射式冷暖房。その快適性から採用例が増えています。放射式冷暖房の原理や仕組み、計画の基本をQ&Aにまとめました。放射式冷暖房で豊富な実績をもつFUTAEDA(福岡市)の宮本知典氏・宮﨑心文氏への取材をもとに、ケンジと松太郎の対話形式で構成しています。
取材協力:FUTAEDA・宮本知典/宮﨑心文
Q. 放射式冷暖房を採用するとどんな温熱環境になるの?
A. 高断熱住宅なら、冬は床や壁、天井の表面温度が室温より高く、夏は逆になる。そのため冬は体感温度が室温より1〜2℃高めになり、夏は1〜2℃低めになる。その分、設定温度を低く設定でき、省エネになる
ケンジ 最近、少しずつだけど放射式冷暖房の事例が増えてきているね。どんな手法で冷暖房しているの?
松太郎 それを説明するために、3つの熱の伝わり方を復習しよう。「伝導」はものを介した熱の伝わり方。たとえば湯たんぽや氷まくらだ。「対流」は液体や気体を介した熱の伝わり方だ。風や水の流れで熱が広がる。
ケンジ エアコンが典型例だね。
松太郎 一方、「放射」とは遠赤外線による熱の伝わり方だ。太陽から地球に熱が届くように、ものや空気を介さず離れたところにも熱が伝わるのが特徴だ。放射熱は温度の高い方から低い方へ伝わる。放射を生かした例がストーブや温水パネル暖房などだ。
ケンジ この放射を生かして空間全体を効率的に暖めるのが放射式冷暖房なんだな。熱源はどこに設けるの?
松太郎 人の周囲にある要素の放射熱の環境を整えることで冷暖房の効果が高まる。そして・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー11月号(2023年10月30日発行)LAN・Wi-Fi・IoT etc…設備・家電[超]ネットワーク化術』(P.52〜)でご覧ください。
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