積水化学工業(大阪市)が10月30日発表した2024年3月期第2四半期決算(4~9月)は、新築住宅売上棟数が減少し、売上高は前年同期比0.6%増の6112億円とほぼ前年並みに。営業利益は7月時点での見通しをやや下回ったが、固定費の抑制や為替差益の効果により同2.0%増の411億円を確保した。経常利益は同4.4%減の515億円、四半期純利益は積水ハウス株の売却による売却益の計上により、同13.7%増の444億円と過去最高益を更新した。
住宅カンパニーは、リフォーム・不動産、まちづくりの各事業で売上が伸び、売上高は2648億円(同1.8%増)となったが、売上棟数減の影響を受けて営業利益率が低迷。営業利益は129億円(同12.2%減)にとどまった。一方、好調が続くリフォーム事業では、太陽光発電や蓄電池、断熱リフォームの拡販により受注高を着実に伸ばしている。
加藤敬太社長は説明動画の中で、住宅カンパニーの業績について「住宅市況が想定を超えて悪化していることから住宅事業の収益性強化策を策定し、すでに一部着手した。引き続きスピード感を持って取り組んでいきたい」と語った。
収益性強化策では、木質系商品の生産体制最適化、工場でのDX・自動化、ストック事業への人員シフト、エリア別商品戦略の展開などにより生産性を強化する。これにより2025年度までの累計で100億円の利益効果を目指す。
通期は新築住宅需要の低下などを勘案し、前回予想から売上高を1兆2800億円(同3.0%増)に下方修正。営業利益は1000億円(同9.1%増)、経常利益は1030億円(同1.2%減)、純利益は750億円(同8.3%増)を見込む。
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