住友林業(東京都千代田区)が10月31日に発表した2023年3月期第3四半期決算(1月~9月)は、円安などの影響で売上高は前期比2.2%増の1兆2328億円となったが、米国住宅事業の販売戸数減少や利益率低下が響き、営業利益は同12.1%減の976億円、経常利益は同29.8%減の996億円、純利益は同22.9%減の637億円で、大幅な減益となった。
米国住宅不動産事業は、戸建住宅販売戸数や不動産売却物件が減少する中、3Qだけで2410戸の受注があったことから、米国住宅市場での住宅需要の底堅さはあるとの考えを示した。2030年の販売戸数目標2万3000戸に向けて、引き続き取り組むとしている。
一方、国内住宅事業は、注文住宅の販売が金額・棟数ともに前年同期を上回り、価格の見直し効果で売上総利益率が改善。売上高は3007億円(同5.8%増)、売上総利益は701億円(同31.0%増)となった。
住宅セグメントは増収増益
セグメント別の業績は、木材建材事業が国内の新設住宅着工戸数の減少、販売価格の下落などにより、売上高は1757億円(同14.7%減)、経常利益は80億円(同25.2%減)と低調。住宅事業では販売単価の上昇や、木材価格の下落によるコスト低減により、売上高3867億円(同6.2%増)、経常利益220億円(同198.2%増)で増収増益となった。
海外住宅・建築・不動産事業は、豪州で戸建住宅の販売戸数が伸長したことにより、売上高は6589億円(同5.1%増)となったが、利益面は米国住宅事業の減退が響き、経常利益は702億円(同44.5%減)となった。資源環境事業は、森林事業で中国への輸出販売が増加し、売上高180億円(同11.8%増)を計上。その一方で燃料価格高騰により発電事業の利益率が低下し、経常利益は7億円(同42.2%減)に落ち込んだ。
通期予想は前回予想からの変更はなく、売上高は1兆7260億円(前年比3.4%増)、営業利益は1305億円(同17.5%減)、経常利益は1500億円(同23.1%減)、純利益は920億円(同15.3%減)を見込む。
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