LIXIL(東京都品川区)が10月31日公表した2024年3月期第2四半期(2023年4~9月)の連結決算は、世界的に住宅需要が下がる中、売上収益は前年同期比0.1%減の7322億4900万円とほぼ前年並みに。事業利益は同43.6%増の88億3900万円まで回復したが、欧州の需要低迷が収益を圧迫。海外での人件費増加や為替の影響が販管費を押し上げ、営業利益は同33.9%減の66億3100万円と大幅な減益となった。四半期利益は同94.2%減の2億7600万円となったが、これは前年の土地資産譲渡益の剥落によるもの。
瀬戸欣哉社長はオンライン決算説明会で、「欧州需要の弱さが最大の課題」と強調。その一方で、「今期も海外を中心に、構造改革に資金を投入しており、4Qには利益面への効果が発現するはずだ」と述べた。さらに「断熱窓の売上が補助金により大幅に増加し、収益性の改善に大きく貢献した。先に価格を改定した分、シェア面では苦戦しているが、他社の値上げがようやく追いついてきた。新築需要には期待できないとしても、シェアの回復によりある程度は売り伸ばせるだろう」と展望を語った。
セグメント別では、ウォーターテクノロジー事業(LWT)は、日本・海外ともに減収減益に。日本では、快適性向上のためのリフォームで売上を伸ばしたが、新築の持ち家が低迷し、減収となった。さらに売上減による粗利減少を、価格改定と固定費削減でカバーしきれず、事業利益は前年同期比で24.6%減の82億円にとどまった。海外はインド、中近東を除いて軒並み低迷し、事業利益はマイナス8億円の赤字となった。商品別では、バスルームが同1.6%の売上増で好調。キッチンが同5.1%減で苦戦した。
ハウジングテクノロジー事業(LHT)は、日本では補助金による窓リフォーム売上が堅調に推移し、増収増益に。事業利益は同220.4%増の180億円となった。海外事業は、事業戦略を見直したことにより収益性が改善。同72.7%増となる7億円の事業利益を計上した。商品別では、住宅サッシの売上が同18.7%増と大幅に増えた。
24年3月期通期業績は、前回予想からの変更はなく、売上収益は1兆5300億円(前期比2.3%増)、事業利益は400億円(同55.4%増)、営業収益は280億円(同12.4%増)、最終収益は111億円(同34.3%減)となる見込み。
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