富士経済(東京都中央区)はこのほど、太陽電池と関連ビジネスの市場を調査し、その結果を発表した。
2023年度における太陽電池の国内市場は、2022年度比92.9%の3110億円を見込む。数量ベースでは同101.2%の7750MW。2024年度は2232億円(同66.7%)、9070MW(同118.4%)と予測。
2020年度以降、出荷価格の上昇や電気料金の高騰に伴う需要増加により、住宅/非住宅向けともに金額ベースで大きく拡大。2022年度は、電気料金の高騰により、住宅向けが1000MWを超えるなど大幅に伸びた。2023年度も引き続き住宅向けの好調により数量ベースは伸びているが、新型コロナの影響などによるサプライチェーンの混乱が落ち着きを見せ始めたことから出荷価格が下落に転じているため、金額ベースでは縮小が予想されるとする。
2024年度以降は、2024年度まで非住宅向けでFIT認定失効制度適用による駆け込み需要が予想されるが、2025年度にはFIT案件による導入が大きく減少することで、金額・数量ともに大きく縮小すると予想。
サービス事業者が顧客の所有する建物の屋根などに太陽光発電システムを設置し、電力購入契約を結ぶ顧客へ電力を供給する「PPAモデル」と、定額で太陽光発電システムを貸与する「リース」の2023年度の国内市場は、2022年度比35.0%増の551億円を見込む。2040年度には、2022年度比10.4倍の4224億円まで拡大すると予測。
近年の電気料金高騰と環境価値ニーズの高まりを受けて注目度が高まっており、太陽光発電システム導入形態の一つとして定着しつつあることから、市場は拡大していくとする。太陽光発電システムの導入費低減により収益を得やすくなっていることから、新規参入が相次いでいる。また、長期契約となることからユーザーとの直接的な関係構築を進めていき、将来的にVPP/DR/P2P電力取引などへの展開を想定する事業者も多い。
新型・次世代太陽電池(国内で開発・販売される色素増感太陽電池(DSC)、有機薄膜太陽電池(OPV)、ペロブスカイト太陽電池(PSC)を新型・次世代太陽電池と定義)の国内市場は、2040年度には250億円まで拡大すると予測。太陽電池市場の1割程度を新型・次世代太陽電池が占めるとする。
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