東京都を管轄する警視庁では、都内の犯罪情報や前兆事案情報などが地図上で見られる「警視庁犯罪情報マップ」を公開している。このマップは、警視庁が収集した犯罪データを可視化し、地域ごとの治安情報を提供するもので、2016年から公開している。
土地探しや住宅の購入を検討する際には、その土地の情報として、ハザードマップや古地図、地形図、地質図、ボーリング柱状図などを参照することが多いが、その土地の治安についても知っておくと、より安全な住まい探しが可能となるだろう。
提供している情報は、①前兆事案情報、②アポ電情報、③犯罪情報の3種類。1カ月ごとの時系列や年ごとの累計といった期間別に表示できる。
前兆事案情報では、子供・女性に対する声掛け、つきまといの発生事案が確認できる。事案が起きた場所に星印や丸印が表示されるため、事案が起きやすい場所が一目で分かるようになっている。
アポ電情報では、特殊詐欺の犯行予兆電話があった地域を色分けで表示。濃い赤で表示された地域ほど、電話が掛かってきていることが分かる。予兆電話は特殊詐欺の犯人が犯行に及ぶ前にあらかじめ電話を掛け、相手の住所や氏名、資産、利用金融機関などを探るもの。消費者庁によると、特殊詐欺は現金やキャッシュカードを取りに行く「受け子」が効率良く回収するために、一定期間に特定の地域で多発するという。
犯罪情報では、侵入窃盗やひったくりなどが生じた地域を色分けやマークで表示。濃い赤で表示された地域で集中して犯罪が起きていることが分かる。チェックボックスにチェックを入れることで、侵入窃盗、車上狙い、自動車・オートバイ・自転車の盗難、万引き、特殊詐欺、置き引き、部品狙いといった詳細を知ることができる。
交番・駐在所の位置も表示
他にも、警察署や交番・駐在所の位置や、警視庁がメールで配信した犯罪情報(犯罪の発生、犯人の逮捕、イベント情報など)を、地域ごとに見ることが可能となっている。一般的に警察署や交番・駐在所の周辺は、警察官がパトロールや巡回、通勤や買い出しのための移動などを行うことが多いために犯罪が生じにくいとされ、万が一起きてもすぐに駆け込むことが可能であることから、安全な物件を探す場合に有効だと言われている。
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