東京カンテイ(東京都品川区)はこのほど、9月の三大都市圏・主要都市における中古マンション70㎡あたりの価格を発表した。
首都圏の中古マンション価格は、前月から横ばいの4777万円だった。東京都は6416万円(0.6%増)と5カ月ぶりに上昇し7月の水準を上回ったが、事例シェアが約2年ぶりに過半数を割り込んだことが全体に影響したとみられる。神奈川県は3689万円(0.8%増)と価格水準を持ち直したが、埼玉県は3017万円(0.1%増)、千葉県は2770万円(0.1%減)とわずかな変動にとどまった。
都市別では、東京23区が前月比1.0%増の7098万円と4カ月ぶりに上昇。都心6区は1.7%増の1億604万円と8カ月連続で上昇した。東京23区では都心部をはじめ、一部で流通戸数がやや減少する動きがみられる。城南・城西エリア(0.9%増)、城北・城東エリア(0.3%増)も軒並みプラスとなったが、都心部との差は拡大しており、二極化の状況は継続している。横浜市(0.6%増)や千葉市(0.4%増)は反転上昇したが、7月の水準には至らなかった。さいたま市(0.2%減)は2カ月連続の下落となった。
近畿圏は前月比0.5%減の2886万円と、小幅ながら2カ月連続下落。前年同月比は0.3%増と2018年1月以来の1%割れとなった。大阪府は0.4%減の3072万円と5カ月連続下落、兵庫県は0.9%減の2516万円と2カ月連続下落し、ともに下落率も拡大した。都市別では、大阪市が前月比0.3%減の3854万円と5カ月連続下落。前年同月比も7月以降マイナスが続いており、上昇局面から調整局面へ移行しているとみられる。市中心部は0.5%減の5321万円と2カ月連続下落となった。神戸市(1.5%減)は平均築年数がやや進み、2カ月連続で1%以上のマイナス。前年同月比も2桁台の上昇率から6%まで縮小した。
中部圏は前月比0.4%減の2247万円と下落。愛知県も0.3%減の2391万円と下落し、ともに3月をピークに価格水準が徐々に下降している。都市別では、名古屋市が前月比0.7%減の2763万円と3カ月連続で下落。前年同月比も0.7%増と1%を割り込み、年初を境に上昇局面から調整局面へ完全に移行している。平均築年数がやや進んだ市中心部では、1.2%減と7月の水準を下回った。
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