国土交通省は、2023年5月に公表した「ダンピング対策調査」の追加調査を6月に実施したことを明らかにした。前回調査で「調査基準価格」または「最低制限価格」の算定式水準が不明だった、人口10万人以上の地方公共団体27団体を対象にヒアリングを行ったところ、22団体が「平成28年(2016年)中央公契連モデル」以前の水準だったことが判明している。なお、22団体のすべてが、今年度中には改定を実施、または検討すると答えている。
低入札価格調査の基準価格標準モデルとなる「中央公契連モデル」は2022年に見直しが行われており、新基準に対応できなかった団体でダンピング対策が遅れている可能性があることが指摘されている。
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ダンピング対策への取り組み状況に関する調査は、2022年10月と23年3月に実施。10月の調査では、調査基準価格で18団体、最低制限価格で20団体が「非公表」となっていた。23年3月の再調査では、このうちそれぞれ6団体が平成28年以前のモデルを使用していることが判明している。
今回の追加調査では、非公表だった団体からも回答が得られ、いずれも「平成28年中央公契連モデル」以前のモデルを使っていることが分かった。このうち3団体は「今年度中をめどに改定を行う」、8団体は「来年度中の改定を視野に年度中に検討」、11団体は「改定について今年度中に一度検討」と回答。改定や改定の検討をしないと答えた団体はなかった。
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