前回に続き、二次防水層に用いるシート、ルーフィングについて説明する。製品それぞれについて性能や特長には違いがあり、使用する部位についても向き、不向きがある。防水施工を行ううえで、設計・施工者が認識すべきポイントを押さえておきたい。
前回は、通気層内に用いる防水シートは、二次防水として躯体への雨水浸入を避けるための最後の砦としてとらえてほしいということを書いた。
壁内への浸入水や結露水が胴縁などの障害物によって滞留してしまう事象は、雨漏り防止を考えるうえで大きな問題の一つだ。その際、防水シートについても資材そのものの性能にも気を配って仕様を選択しなければならない。
屋根通気層も防水性を優先して透湿ルーフィングを使用するべき
まずは屋根断熱について考えてみよう。屋根断熱を施工する際には、屋根に通気層が設けられる。この屋根の通気層において、外壁に用いる透湿防水シートを用いているケースを目にすることがある。
外壁下地に用いる資材である透湿防水シートは、壁面である垂直面に用いることが前提の製品だ。そのため、垂直では重力による流下・落下の速度も速くなり、浸入水の滞留は避けやすい。
しかし、施工部位が屋根となると、垂直面と違い、流下の速度が鈍化することは言うまでもない。これにより浸入水や結露水は滞留しやすい状況が生まれる。
このため、屋根通気層内の垂木留め付けの釘部分などで滞留が起きれば、釘孔シール性を有しない透湿防水シートでは、自ずと下地への浸入を許すことになってしまう。
ではどのように考えるべきか・・・
この記事は新建ハウジング10月30日号6・7面(2023年10月30日発行)に掲載しています。
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