経済産業省は10月20日、木質構造用ねじに関するJIS(日本産業規格)を制定したと発表した。脱炭素社会の実現に向け、中大規模木造建築物の普及が期待されているが、地震が多い日本では、壁や柱等の接合部の高強度や耐久性が求められている。特に、高接合力やコスト、施工の自由度等の観点から、木質構造用ねじが注目されているが、これまで、品質や検査方法等について定めた規格がなかったため、木材の種類や工法ごとに試験を行う必要があったことから、JISの制定が求められていた。
今回制定したJIS A5559(木質構造用ねじ)は、欧州の規格を参考にしつつ、耐震性を考慮した品質や検査方法等を規定した。
具体的には、①地震に対する強度や耐久性に関する品質として、繰返し曲げ回数や最大ねじりトルク等の機械的性質を規定。試験方法には、JIS A1503(木質構造用ねじの試験方法)を適用。②形状、寸法等を規定。国内市場が草創期であるため製造業者が自由に定められるようにしたが、一定以上の品質を確保するために、長さや径(太さ)等の各部の寸法は、表示寸法に対して、許容差を±2.5%の範囲内と規定。 ③取引当事者間の相互理解促進や取引の単純化のために、製品の呼び方、包装に表示すべき事項、試験報告書に記載すべき項目等を標準化――など。
経産省では今回の制定で、品質の向上や粗悪品の排除、建築物の設計者や施工業者等に対する信頼性の向上が期待されるとしている。
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