国土交通省は10月19日、移住・二地域居住を促進するための施策について話し合う検討会(移住・二地域居住等促進専門委員会)の初会合を開いた。この会議で国交省・総務省などが、各省における取り組みを説明。参加委員が地域での先行事例を紹介した。同委員会では12月中旬頃を目途に、移住促進に向けた新制度について中間とりまとめを行う予定。
国交省の調査によると、コロナ禍以降、東京圏在住者の間で地方移住への関心が高まっている。中でも20歳代の45%が地方移住に対して関心を持っていることが分かった。そのうちの2割~3割が、自然豊かな環境やテレワークによる就業の可能性、仕事中心から生活中心のライフスタイルへの転換に魅力を感じている。一方、二地域居住に関する質問では、全体の27.9%が「関心がある」「二地域居住を行いたい」と答えている。
また、地域の「関係人口」にも着目。▽移住でも観光でもなく、特定の地域に継続的に関わる人(訪問系)※帰省・血縁的訪問を除く▽二地域居住を行う人▽ふるさと納税、クラウドファンディング、地場産品購入、特定地域の仕事の請け負い、オンライン交流などを継続的に行っている人(非訪問系)―については、コロナ禍前にはすでに約2000万人に達していたと推計した。この「関係人口」を2032年度に、コロナ禍前との比較で1.5倍程度に拡大することを目指す。
移住者向け住居の確保が課題
移住・二地域居住を促進するための課題としては、①移住者向けの住居の確保、②仕事のマッチング、③コワーキングスペースなどの環境整備、④地域での円滑なコミュニティ形成(孤立・孤独の解消)―が上がった。
このうち移住者向けの住居不足への対応では、空き家の利用や公的賃貸住宅の活用、住宅取得支援による移住環の整備を行う必要があるとした。また、移住者が地域住民や他の移住者とコミュニティを形成できるよう、都市部などに情報発信拠点となる「地域交流センター」を整備。地域公共交通の「リ・デザイン」、こども・子育て支援への対応なども併せて行う。
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