竹中工務店(大阪市)はこのほど、同社が開発した一般流通木材を用いたCFT柱の耐火被覆技術「KiPLUS TAIKA for CFT」と、鉄骨梁の耐火被覆技術「KiPLUS TAIKA for BEAM」が、それぞれ日本で初めて「国土交通大臣認定 耐火構造部材(2時間耐火)」を取得したと発表した。「KiPLUS TAIKA for BEAM」は、日鉄エンジニアリング(東京都品川区)との共同開発。
建築基準法では、建物の最上階から4層までは1時間耐火性能、5層から14層までは2時間耐火性能が求められている。CFT柱や鉄骨梁の場合、耐火性能確保に必要な耐火被覆部材には無機系の材料が使用されることが一般的だが、今回開発した「KiPLUS TAIKA」は一般流通木材を使用。火災時には、耐火被覆材として巻き付けた木材が炭化を伴いゆっくり燃えてCFT柱・鉄骨梁への熱の侵入を抑制する。これにより、CFT柱と鉄骨梁で構成された14層までの建物において、耐火性能を確保するとともに木あらわしの空間を実現できるとしている。
「KiPLUS TAIKA for CFT」は、CFT柱の周囲にアングル・鋼板等で一般流通木材を取り付け、鉄骨との間の空気層によって断熱性能を向上。「KiPLUS TAIKA for BEAM」は、鉄骨梁の周囲にせっこうボードと一般流通木材を取り付ける構造で、梁に設備配管用の貫通孔を設けることもできる。入手しやすい一般流通木材を使用することで、多くの工場で生産可能。構造材に適さない強度の低い木材も使用できるため、原木を無駄なく活用できるという。
同社は、従来のRC造やS造の架構システムの一部に木をあらわしで使用しながら遮音・耐震などの性能を補完する設計技術体系「KiPLUS」シリーズを開発、展開しており、同技術は「KiPLUS WALL」に続く第2弾となる。
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