近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ、大阪市)が10月19日に発表した近畿圏の2023年7~9月期の不動産流通動向によると、成約件数は中古戸建て住宅が前年同期比9.6%増と3期連続増加、中古マンションは1.7%減で4期連続減少した。
中古戸建て住宅の成約件数は2660件(前年同期比9.6%増)。新規登録件数は1万734件(同26.0%増)と大幅に増加し、3年連続で前年同期を上回った。成約件数は12地域中11地域で前年比増、増加エリアは前期比で6地域増となった。大阪府内を中心に2ケタ増となり、大阪市(12.8%増)は5期連続で前年同期を上回った。成約価格は2279万円(同1.7%増)で12期連続上昇、新規登録価格は2706万円(同1.2%増)で3期連続上昇した。成約価格は12地域中5地域で上昇し、上昇エリアは2地域減少した。大阪市が4期連続上昇する一方、大阪府南部など一部で下落するエリアもみられた。
中古マンションの成約件数は3863件(前年同期比1.7%減)。新規登録件数は1万5613件(同12.9%増)で3期連続前年同期を上回った。成約件数は12地域中9地域が前年比減となり、取引が軟調なエリアが増えた。成約価格は2880万円(同8.4%増)と13期連続で上昇し、新規登録価格は2769万円(同1.1%増)となった。成約価格は12地域中9地域が前年比で上昇した。最も価格水準が高い大阪市は32期連続で前年同期を上回り、高額物件中心の取引が目立つ。
戸建て・マンションともに成約価格が上昇し、高額物件を中心に需要が集まる傾向が続いている。新規の売り物件の増加で、価格設定の見極めが重要になるとみられる。
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