連合は10月19日、中央執行委員会を開き、2024年春闘で、定期昇給分と従業員の基本給を底上げするベースアップ(ベア)分を合わせて「5%以上」の賃上げを要求する方針案を確認した。物価高が続く中、23年春闘で実現した高水準の賃上げのさらなる底上げを目指すため、表現を「程度」から「以上」へ強める。
23年春闘では数値目標を8年ぶりに引き上げ、「5%程度」としていた。食品やエネルギー価格の高止まりで、物価の変動を反映させた実質賃金は前年割れが続いており、生活水準を向上させるため24年は一段の賃上げを目指す。ベア要求は11年連続で、12月1日に開催予定の中央委員会で要求方針を正式決定する。
記者会見した芳野友子会長は「賃上げの流れを確固たるものにするため、本格的なステージ転換を目指す」と強調。大企業を中心に高水準の賃上げを実現した23年春闘の流れを引き継ぎ、「今年以上の成果が出るよう、連合として取り組みを進める」と述べた。連合の方針決定後、各産別組織や労働組合は個別の要求方針について本格的な議論に入る。
連合によると、23年春闘の平均賃上げ率は3.58%と30年ぶりの高水準を実現した。中小企業や新型コロナウイルス禍などで賃上げを見送っていた業種へと、賃上げの流れを拡大できるかが焦点となる。
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