不動産経済研究所が10月18日発表した2023年度上半期(4~9月)の首都圏(東京都、神奈川、埼玉、千葉各県)新築マンション市場動向によると、東京23区の平均価格は1億572万円となり、年度上半期として初めて1億円を超えた。建築資材価格や人件費高騰が続く中、都心部で超高額物件が多く売り出され価格が押し上げられた。
東京23区は前年同期比36.1%上昇し、1991年度の9555万円を上回り過去最高を更新した。港区や新宿区で超高額の大型物件の発売が相次いだのが主因。例えば港区では、いずれも最低価格が1億円台の「三田ガーデンヒルズ」や「ワールドタワーレジデンス」が販売されている。
首都圏全体では、平均価格が23.7%上昇の7836万円となり、21年度(6702万円)以来、2年ぶりに過去最高を更新した。
東京23区以外でも、神奈川県が5.4%、千葉県が7.7%それぞれ上昇。埼玉県は前年同期に高額物件が多く売り出された反動で下落した。
一方、首都圏の発売戸数は4.6%減の1万1712戸と、2年連続で減少。コスト上昇分を価格に転嫁せざるを得ない状況が続く中、買い手の動向を見極めて慎重に販売しようとする動きが出ている。
今後の販売価格について同研究所の担当者は、「(建設費高騰で)基調としては緩やかな上昇が続く」と指摘。その上で、今後も都心部で超高額物件の発売が見込まれており、再び上昇幅が大きくなる可能性があるとの見方を示した。
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