矢野経済研究所(東京都中野区)はこのほど、国内の中古住宅買取再販市場を調査し、現況、将来展望などを発表した。
不動産会社などが一旦購入し、リフォーム・リノベーションした後に販売する中古住宅買取再販は年々拡大しており、2022年の中古住宅買取再販市場規模(中古戸建て及び中古マンションの買取再販戸数の合計)は成約戸数ベースで前年比5.1%増の4万1000戸と推計。
市場拡大の主な要因は、中古住宅の需要増とする。特に、新築分譲マンションの価格は高騰・高止まりしており、新築と比較して相対的に割安な中古住宅の需要が増えていると分析。なかでも、買取再販物件は、リフォーム・リノベーションが施され、新築同様に入居できるため、人気を博している。
2023年の同市場規模は、前年比2.4%増の4万2000戸と予測。今後も市場は拡大基調で推移する見込みで、2030年の市場規模は2022年比22.0%増の5万戸になると予測する。
市場拡大の主な要因として、住宅ローン金利については先高観があるものの、それでも低金利を前提とした緩やかな上昇が見込まれることや、住宅取得時の税制優遇措置の継続など、良好な住宅取得環境が継続する見通しであるといった外部環境を挙げた。
また、築年数の経過とともにリフォーム・リノベーションを必要とする住宅ストック数は間違いなく増加し、それに伴い、買取再販物件の供給は必然的に増加していくとする。加えて、SDGsやESG経営といった観点からも、中古住宅買取再販事業者にとって、買取再販ビジネスは取り組むに足るインセンティブがあり、消費者にとっても中古住宅を積極的に選択しようという機運の高まりにつながると分析している。
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