木造建造物の研究者や住宅メーカーの技術者でつくる「木造構造物の振動試験研究会」と(財)建材試験センターは23日、独立行政法人土木研究所(茨城県つくば市)で、住宅性能表示の耐震等級3に相当するもっとも標準的な仕様の試験体をつくり、実大振動実験を行った。
1995年の兵庫県南部地震の地震波を再現して試験体に加震した結果、開口部が最も大きかった南面で最大層間変位角は1/26となった。南面の開口部まわりで躯体外側に張った合板のビスが抜け合板が浮き上がった部分が見られたほか、内装の一部で石膏ボードを固定するビス周りのゆるみ、土台の一部でホールダウン金物のゆるみなどが見られた。
同研究会では、一昨年前に等級1、昨年に等級2に相当する標準試験体の実大振動実験を実施している。1階部分がおおむね倒壊状態となった等級1の試験体、倒壊の危険性はなかったが接合部に緩みが生じた等級2の建物と比べ、損傷は少なかった。
性能表示耐震等級3住宅の振動試験を公開
等級3は基準法で定める耐震基準の1・5倍に相当する。
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