欧州連合(EU)加盟国の気候変動対策担当相らは16日、国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)におけるEUの交渉姿勢を確認した。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出する化石燃料の使用を段階的に削減する世界初の合意を推進することで一致した。
11月30日にドバイで始まるCOP28では、化石燃料の段階的な使用削減で初の合意が成立するかが焦点となる。
EU加盟27カ国は「排出削減策が講じられていない」化石燃料の段階的な使用削減をCOP28で要求することに、全会一致で合意。CO2の排出を「削減」、つまり回収する技術を用いれば、石炭やガス、石油を燃やし続けることを認める。
ただ、合意ではCO2回収技術は「限られた規模内で存在し、排出削減が難しい部門で主に用いられるべきである」と付記された。
デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、オランダ、スロベニアなど約10カ国は化石燃料の段階的な使用削減に向けたより強力な合意を求めていた。
一方でブルガリア、ハンガリー、イタリア、マルタ、ポーランドなどの国々は排出量の削減技術に関する内容を入れることを主張、合意に反映させることに成功した。
また加盟国は、「非効率な」化石燃料の補助金を2030年までに段階的に廃止するよう求め、世界が著しい気候変動を回避するためには新たな石炭燃料発電所の整備はあり得ないと主張する。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。