「屋根瓦がずれている」などと不安をあおって点検を持ち掛け、不要な工事を契約させるトラブルが急増している。豪雨などの自然災害が近年多発していることに悪質業者が乗じている可能性があるといい、国民生活センターはこうした「点検商法」に注意するよう呼び掛けている。
全国の消費生活センターへ寄せられた点検商法の相談のうち、屋根工事を巡るものは年々増加。2018年度は923件で相談全体の16%だったのが、昨年度は2885件と3倍超となり、割合も3分の1を占めた。
国民生活センターによると、「近所で工事をしている」と言って訪問し、点検を持ち掛けるのが典型例。ただ、工事自体がうそという場合もある。
60代男性は、隣家の新築工事をしていると話す業者から「屋根がはがれていて外れそうだ。ついでに直してあげる」と持ち掛けられた。屋根の写真を示して「雨漏りの心配がある」などと説明されたが、後で隣家に確認すると、工事を行っていたのは別の業者と分かったという。
「いま撮った」という写真が、あらかじめ用意された別の家だったケースもある。同センターの担当者は「点検させてしまうと、勧誘トークに乗せられて断れなくなってしまう。たとえ無料でも、安易に点検をさせないことが大事だ」と話している。
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