コンクリート製品開発・販売のコンクレタス(大分市)はこのほど、耐震等級3、断熱等級7(Ua値0.26以下)を標準とした外断熱プレキャストコンクリート住宅「北欧ホームズ」の受注を開始した。住宅に特化したプレキャストコンクリートを採用した規格化住宅。2024年の販売目標は5棟。提供地域は当初は大分市を中心とした大分県内とし、将来的には直営、FCなどを含め全国へ展開する予定という。パートナー(投資家、製造メーカー、施工会社)もあわせて募集を開始した。
同住宅では、地震・水害など災害に最も強いとされる壁式コンクリート造を採用。工場製のコンクリートパネルを現地で組み立てる構造のため、人手不足解消にも役立つとしている。耐震等級3をクリアするほか、風速46m/秒の設計で台風時の安全を確保する。強固かつ重いため、洪水時には屋上への垂直避難が可能で、土砂災害レッドゾーン地域にも建築できる可能性があるとする。
壁がすべてコンクリートで気密性が高いのに加え、外壁に通常の倍の厚さ200㎜のグラスウールを使用することでUA値0.26以下、断熱等級7(HEAT20 G3)を実現。窓には木製トリプルサッシを使用し、断熱性とメンテナンス性を向上させた。そのほか基礎の中にエアコンを設置する床下エアコンや、車椅子が使いやすいメーターモジュールを採用。快適な環境や健康、バリアフリーにも気を配っている。
コロナ禍以降、家での過ごし方が重要視されていることから、同住宅では長く寒い冬を快適に過ごす知恵を持つ北欧スタイルを導入。木製窓、ドア、キッチンなどの建材に北欧製のものを使用し、照明の見せ方を学ぶことで、コンクリート住宅でありながら暖かさ、快適さを実感できる。また、屋根などに木造を用いた混構造を取り入れ、柔らかい雰囲気を演出している。サウナや薪ストーブ、ホームシアターも設置可能で、家族と過ごす上質な空間によって心の健康も守る。
同社は、2017年に起業して以来、プレキャストコンクリート技術を用いた防災製品の開発に取り組んできた。今回、同技術を生かし、日本の住環境を改善する高気密高断熱+防災プレキャストコンクリート住宅を開発。「安心安全が大切」「北欧の上質な建材・家具と過ごしたい」「仕事の疲れを自宅で癒やし、趣味を楽しみたい」といったユーザーに、健康、耐災害、持続可能性とデザインが調和する住宅を提供する。
九州内のプレキャストコンクリートメーカーにて委託製造し、施工は同社が実施する。今後、10平米程度のコンパクトな建物(離れ、書斎)や、国産建材を使ったローコスト住宅、プレキャストパネルのみの供給などを予定。
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