建設用3DプリンタメーカーのPolyuse(ポリウス、東京都港区)は、「テトラポッド」に代表される消波根固ブロックなどを手掛ける不動テトラ(東京都中央区)と、建設用3Dプリンティング活用の共同研究を開始した。すでに、事前検証として建設用3Dプリンタを活用したテトラポッド0.5t型相当の造形物の作製に成功しているという。
今回作製したテトラポッドは、従来の型枠を配置し、その上から造形を実施。同造形方法により非平滑面に対する造形が可能であること、鋼製型枠を活用した形状生成方法の可能性などに関して並行して実験検証を行うことができたという。
3Dプリンタは、型枠を使用せずに複雑な形状を造形することが可能で、様々な課題がるが、コンクリートブロックに適用出来る可能性は高く、課題を解決し実用化となれば、型枠を用いた現行の作製方法とは異なる利用が想定されるという。2社は、建設用3Dプリンタを活用した構造物作製により、ブロックの作製工程から現地への設置後数十年の期間を対象としたCO2排出量の低減、CO2吸収・固定量の増加を期待するとともに、ICT施工の適用による機械化、省人化、高効率化についても期待するとしている。
今後は、建設用3Dプリンタの造形方法の特徴である積層状に造形された建設用3Dプリンタ用モルタル硬化体について、海洋環境下における長期的な耐久性を確認することを目的として様々な材料試験を実施する。また、海洋環境における性能評価および環境共生機能効果検証を実施し、海藻類の着生促進効果によるCO2吸収・固定量増加を図っていく。
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