2024年4月、改正建築物省エネ法の一部施行により、新たな制度が開始される。そのひとつが「建築物再生可能エネルギー利用促進区域制度」だ。市町村が独自に再エネ設置を促進できる制度で、建築士にも再エネ設備について、建築主への説明義務が課せられる。市町村レベルでも脱炭素の動きが活発化する中、同制度に取り組む自治体も少なくないと予想されるため、工務店も市町村の動向を予想しながら、早めに対応の準備を進めておきたい。
市町村が独自に再エネ設置促進区域を指定 建築士は書面で建築主に説明
2024年4月から始まる「建築物再生可能エネルギー利用促進区域制度」は、2022年6月公布の改正建築物省エネ法で定められた新制度。都道府県ではなく、市町村が実施主体となる点が特徴で、制度の対象となる区域や建築物、再エネ設備は市町村が独自に定める。
対象となる区域内では建築士にも再エネの説明義務が課せられるが、取るべき対応は市町村によって異なってくる。自社の商圏内にある市町村が今後、どのように制度を活用していくか、今のうちから注視しておく必要がある。
同制度は市町村が、建築物への再生可能エネルギー利用設備の設置の促進に関する計画(以下「促進計画」)を作成し、建築物再生可能エネルギー利用促進区域(以下「促進区域」)を定める。促進区域内では、市町村が建築物への再エネ設備の設置を促進する、独自の措置を講じることを可能にする。
設置を促進する再エネ設備は太陽光やバイオマス、太陽熱利用などで、市町村が地域の実態に合わせて対象を定める。屋根置きの太陽光パネルのように建築物に構造上設置されているもののほか、設備系統が建築物と接続されている設備(カーポートに設置した太陽光発電など)も対象となる・・・
この記事は新建ハウジング10月20日号1・2面(2023年10月20日発行)に掲載しています。
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