全国建設業協会(東京都中央区)が10月2日に公表した「働き方改革の推進に向けた取組状況等に関するアンケート調査」(回答数3146社・回答率17.0%)の結果によると、現場で4週8休が実現している企業は、全体の3割程度であることが分かった。同協会では4週8休の導入促進と、36協定の時間外労働時間の上限を原則360時間以下とする「目指せ週休2日+360時間運動」を実施しているが、4週8休の導入が困難な状況が続いている。
「目指せ週休2日+360時間運動」の取組状況については、「すでに導入している」(8.1%)、「取り組んでいる」(17.1%)を合わせて2割強となり、昨年度から6ポイント増加した。「知ってはいるが取り組む予定はない」「知らない」との回答は合わせて11.7ポイント減少しており、働き方改革に向けた意識が広まった様子がうかがえる。
一方で、実際の休日取得状況をみると、「おおむね4週8休」との回答が現場で29.9%(前年度22.1%)、事務所で58.2%(同54.6%)で、いずれも昨年度よりは増加したものの、低い水準にとどまっている。
36協定により1年間で延長できる時間については、「160時間未満」(現場:34.2%、事務所46.7%)が最多で、協会が目標とする「360時間未満」は、現場で68.6%、事務所で82.7%が達成した。延長時間を「短くした」企業は20.1%、「今後短くする予定」の企業は10.3%となっている。
“減らない”技術者の残業時間
月当たりの平均残業時間数については、「15時間未満」が最多で、現場平均が61.6%、事務所平均が88.2%と、大半の企業が労働時間を短縮する方向で進んでいる。ただし、現場技術者や事務所技術者に限ってみると、「15時間未満」の割合が技能者や事務職員と比べて低く、「15時間以上30時間未満」「30時間以上45時間未満」の割合が高くなっている。
時間外労働が多くなる理由は、「作成する書類が多すぎる」(現場:71.6%、事務所:63.7%)、「人員が不足している」(現場:67.7%、事務所:40.7%)との回答が多かった。労働時間を短くするための取組では、現場では「週休2日モデル工事」の導入が46.3%で最も多く、事務所では「定時退社の呼びかけ」の44.4%が最多だった。
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