国税庁は10月1日からインボイス制度が開始されたことに伴い、よくある質問の回答をまとめた「適格請求書等保存方式に関するQ&A」を更新し公開した。
政府は9月29日に開いた「インボイス制度円滑実施推進に関する関係閣僚会議」で、業者の悩みを的確に把握し、一つ一つの課題に対応する考えを打ち出しており、Q&Aの更新もその方針に則したものとなっている。
今回の更新では、▽制度の概要▽登録制度の手続き方法▽免税事業者の登録▽消費税の確定申告▽簡易課税制度の手続き▽登録の取りやめ・取消し▽適格請求書発行事業者の情報公表▽適格請求書の交付・免除▽手書きの領収書の扱い▽適格請求書の修正方法▽返品や値引き時の対応▽2023年10月1日をまたぐ請求書の記載▽適格請求書・写しの保存―などの内容が改訂されている。
工事に関わるQ&Aでは、▽値増金に係る適格請求書の交付▽工事の請負に係る資産の譲渡時期の特例▽JV事業における適格請求書の交付▽出来高検収書の保存による仕入税額控除―についての回答が記された。
同庁では今後も寄せられた質問や疑問点を踏まえて、随時Q&Aの内容の追加や改訂を行っていく予定。インボイス制度の詳しい説明については、「インボイス特別サイト」 に掲載している。
国民が理解しやすい解説を
インボイス制度については、免税事業者を中心に「十分な理解ができていない」「対策方法がわからない」などの意見が多数上がっている。現在公開されているQ&Aについても、探したい情報が見つけにくい、専門的な表現が多用されているため理解が難しいといった課題が感じられる。国民がインボイス制度を正しく理解するためにも、制度に関する分かりやすい解説や、実務に対応した具体的な説明が求められる。
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