東京都中央区八重洲のビル工事現場で鉄骨が落下し、男性作業員5人が死傷した事故で、工事を請け負う大手ゼネコン大林組が警視庁に対し、鉄骨を支える土台の強度が不足していた可能性があると説明していたことが4日、同庁捜査1課への取材で分かった。
同課は3日に現場検証を終えており、業務上過失致死傷の疑いを視野に事故原因を詳しく調べる。
同課によると、作業員5人は7階部分で、梁(はり)となる鉄骨を別の鉄骨にボルトで固定する仮設置の作業を終え、クレーンでつっていたワイヤを外したところ、突然、鉄骨が落下。既に設置されていた他の鉄骨とともに計5本が崩落し、鉄骨と命綱で結ばれていた作業員も約20メートル下の3階部分まで一緒に落下した。
原因について大林組は、鉄骨を支える土台部分の「支保工」の強度不足が原因の可能性があると説明。支保工の設計が、途中で変更されたことも明らかにしたという。
事故は、9月19日午前9時20分ごろに発生。2次下請け業者の33歳と43歳の男性作業員2人が死亡し、残る3人も重傷を負うなどした。
現場では、再開発事業の一環で、7階建ての劇場棟を建設中だった。
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