SBIホールディングス(東京都港区)と二酸化炭素(CO2)排出量の計測を手掛けるアスエネ(東京都港区)が開設した国内初の排出量取引所「カーボンイーエックス」が4日、運営を始めた。再生可能エネルギーの活用や森林の整備などにより削減・吸収したCO2の量を国が認定する「J―クレジット」のほか、民間機関が管理するクレジットなどを取り扱い、排出価格の透明化を図る。
排出量取引は再エネの活用などによって削減したCO2の量をクレジットとして売買する。企業などは自前のCO2排出削減が求められるが、自身の努力だけで削減できなかった場合も、市場でクレジットを購入することで脱炭素に役割を果たすことができる。
カーボンイーエックスは4日、参加者の正式登録を開始。参加企業や自治体などは国内外で300超に上り、対象クレジットは130万トン分以上となる見通し。5年後に年1000億円の売買規模を目指す。企業などに取引を通じて動機付けを与えることで、社会全体でのCO2削減に貢献する考えだ。
カーボンイーエックス共同最高経営責任者(CEO)を務める西和田浩平氏(アスエネCEO)は「信頼性が高くアジアで最も多く利用される取引所にしたい」と意気込む。
排出量取引を巡っては、東証も今月11日にJ―クレジットを売買する「カーボン・クレジット市場」を開設する。
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