roomz星野建築事務所(新潟県新潟市)では、約3年前から世界基準の性能を持つ住宅づくりに取り組んでいる。構造にこだわり、耐震性、断熱性などの基本性能を重視。そのうえで、地球の環境に貢献する、リサイクル可能な自然素材系の建材を中心に採用するようになった。タイルについても天然石を原料としたものをセレクト。10年後を見据えた住まいを提案している。
既製品を既製品のように見せないタイルならではの工夫
「家が安くつくれた時代なら、好きな材料で好きなように建てて、気に入らなかったらまた建て直せばよかった。でも今は、人件費も資材も高騰し、家1軒建てるのも大変。であれば、コストに見合うだけの性能をきちんと担保して、10年後も20年後も後悔せずに住める家を提案していかなくてはならない」。これがroomz星野建築事務所の社長、星野貴行さんの考え方だ。
2020年以降、コロナ禍による物流の停滞、欧州の戦禍によるエネルギー資源の値上げ、少子高齢化による労働人口の減少などの要素が重なり、家づくりの費用は高くなるばかりだ。そのような現状を前に、星野さんは上記のような方針に切り替えたのだ。
内装材については、調湿性のあるものを選ぶ。おのずと自然素材に絞られていくという。そうなるとビニールクロスは仕様から外れる。壁装材は、水性塗装や塗り壁、天然石などが中心。磁器質タイルなどは透湿性を阻害しないであろう範囲にしか使わない。
そのような観点から、タイル系の仕上げ材は、一般に流通しているものだけでなく、国内外の産地、メーカーに問い合わせ、常に仕入れルートの開拓に努めている。
タイルとは少し離れた事例になるが・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー10月号(2023年9月30日発行)効く冷暖房[超]Q&A〈機器選定・施工編〉』(P.42〜)でご覧ください。
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