FDM(大分県大分市)の社名の由来は、Fundamentals(本質)。住環境における本質の追求を掲げる地域ビルダーだ。変化の激しい近年の環境、社会の中で、将来へと残していける「永く続く器」をつくることを目指しており、住宅分野においても奇をてらわず、普遍的な美しさのあるデザインに取り組んでいる。タイルの特長を生かしながら、空間に調和させ、ほどよくアクセントを付ける手法は建て主にも好評だ。
建て主の好みを受け入れつつ空間全体のバランスを考慮
FDMでは、新築住宅の分野においては、完全オリジナル注文住宅の「フルオーダー」、セミオーダーの「アーカイブス」という2種類のブランドを展開させている。年間約100棟の受注のうち、注文住宅が6割、規格・分譲住宅が4割ほど。
躯体は「社名にあるように本質的な部分を大事にしたい」という代表の高倉潤さんの意向を反映し、耐震等級3を確保。また、パッシブデザインをベースに、温熱環境の質にもこだわっている。
デザイン面についても、一時の流行に流されないよう、仕上げ材のあしらい方には、一定の社内コードが存在するという。表面のプリントだけで見た目を整えるような新建材は避け、経年変化が見苦しくならないような塗り壁材などの自然素材を基本仕様に取り入れている。
タイルについては、建て主のほうから「これを使いたい」という申し出も多いという。意匠担当責任者の釘宮直也さんは「なるべくそうした意向を生かす方向で考えるが、建て主はタイル単品のことしか見えていないことが多い」と指摘する。
多くの場合、建て主はSNS等でタイルの商品画像や施工画像を検索してピックアップしてくる。計画中の住空間の中で意匠や寸法、質感が本当にマッチするタイルであるかどうかはまた別の問題だ。
そこで釘宮さんは・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー10月号(2023年9月30日発行)効く冷暖房[超]Q&A〈機器選定・施工編〉』(P.38〜)でご覧ください。
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