20年以上前から太陽光発電の普及に取り組んできた菅原工務店(宮城県大崎市)は近年、蓄電池の提案にも力を入れている。ターゲット層の年代も考慮した入念な情報発信で、太陽光発電を導入したOB顧客らの自家消費ニーズをしっかり捉えて自社の利益に。社長の菅原順一さんは「長年太陽光発電を扱ってきたことが、電気代が上昇する中で強みになっている」と話す。
同社が蓄電池の取り扱いを本格化させたのは、FITの買取期間が終了する顧客が現れ始めた2019年から。現在は、月3台程度のペースで蓄電池の設置工事を行っている。
蓄電池の販売を下支えするのが、600件近くに達するという太陽光発電の設置実績。2001年に京セラソーラーのFCに加盟して以来、積極的に太陽光発電を訴求してきた。そもそもエアサイクル工法やオール電化住宅に取り組んでいたため、太陽光の取り扱いも自然な流れだったという。
新築住宅での搭載率も、今は5割前後まで上昇。直近ではHEAT20・G2レベル(UA値0.35W/㎡K)の躯体に、5kW程度を搭載してZEH化した事例が多い。
OB顧客がメインターゲット FITの終了を狙って営業
蓄電池の主な顧客は、固定価格買取制度の買取期間が終了、いわゆる卒FITしたOB顧客だ。3分の2はOB顧客からのリピート受注。特に「早期に太陽光を導入したお客様は自家消費や電力を融通することへの関心が高く、蓄電池の提案にも反応がいい」(菅原さん)。
先代(会長の菅原三郎さん)の時代も含むOB顧客なので当然、新築の顧客に比べれば年齢層は高い。そのため、営業や広報活動はあえてアナログな手法を中心に。卒FITのタイミングが近づいた顧客には、電話をかけて自家消費のメリットを案内。並行して、ニュースレター「あんだん家(ち)」誌上で、電気料金の動向などを紹介しながら(同じ内容は自社サイトにも掲載)、年3回の相談会の案内は必ず同封して送付している。
ポイントは・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー10月号(2023年9月30日発行)効く冷暖房[超]Q&A〈機器選定・施工編〉』(P.28〜)でご覧ください。
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