太陽光発電の自家消費を促す設備として、一気に関心が高まっているのがおひさまエコキュートだ。太陽光発電搭載率97%を誇るエコワークス(福岡県福岡市)では、電気料金が値上がりしたことを背景に、経済的な顧客メリットは大きいとして、今年7月からダイキン工業製のおひさまエコキュートを標準仕様化。昼間、余剰となっている太陽光発電の電力を有効活用することで、エネルギー問題や気候変動問題の解決にも、企業として取り組んでいく。同社の実践例を軸に、自家消費型太陽光発電に取り組む上で知っておくべきポイントを見ていく。
おひさまエコキュートを標準化 自家消費で「三方よし」実現目指す
おひさま(昼間沸き上げ型)エコキュートは、夜間ではなく昼間に太陽光発電の余剰電力を利用して湯を沸かす。一次エネルギー消費量削減効果は年間で、7~10%程度。
昼間に沸かすことのメリットは2つ。まずは、沸き上げから使用するまでの時間が短く、放熱ロスが少なくなることだ。従来のエコキュート(夜間蓄熱型)は、深夜電力を使い朝7時ごろまでに湯を沸かすため、湯を大量に使用する夜まで12~13時間のラグが発生するが、おひさまエコキュートは16時ごろまでに沸き上げを行うので、使用までの間隔は4~5時間程度で済む。また、外気温の高さによるヒートポンプの効率向上も期待できる。
本体価格は従来機種に比べ3〜5万円程度割高だが、社長の小山貴史さんは「近いうちに(おひさまエコキュートは)普及し、価格もすぐにこなれたものになるはず。10年間で十分元は取れるので普及は待ったなし」として、住宅価格への影響は限定的だとみる。経済産業省による高効率給湯器への補助金も、おひさまエコキュートは全機種が対象となっているため、初期費用を補助金でカバーすることも可能だ・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー10月号(2023年9月30日発行)効く冷暖房[超]Q&A〈機器選定・施工編〉』(P.24〜)でご覧ください。
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