消費者庁は外壁塗装・屋根工事の訪問販売を行う茜ホームアシスト(徳島県徳島市)に対し、特定商取引法に違反した行為を理由に、2023年9月28日から12月27日までの3カ月間、訪問販売の一部について業務停止命令を行った。同社は契約を締結しないと意思表示をした消費者に対して勧誘を繰り返していたと報告されている。
同庁によると、同社の社員が消費者を訪問し、社名や訪問の目的を明らかにしないまま、「瓦が歪んで漆喰が剝がれている」「早く直さないと屋根が飛ぶ」などと告げ、修理工事の契約締結を迫ったという。中には、消費者が「修理の必要はない」「今日は契約しない。考えさせてほしい」と断ったにもかかわらず、長時間にわたって居座り、強引に契約を締結させるケースもあった。このような行為に対する苦情や相談が国民センターなどに、2019年4月から2023年9月5日までの間で315件寄せられていた。
四国経済産業局は、同社の行為が訪問販売に関する業務のうち、①氏名等の明示義務に違反する行為、②契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘行為、③訪問販売に係る役務提供契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘 をする行為―に該当すると判断。会社および代表取締役の武田圭司氏に対し、工事契約の勧誘や申し込みの受領、契約締結の業務を3カ月間、停止するよう命じた。
さらに再発防止策を講じるための原因究明とコンプライアンス体制を構築、業務再開までに役員および従業員に再発防止策の周知徹底を行うことなども命じている。
これに対し同社は「元社員が営業活動で行政による特定商取引法に関する指導を受けた。認識の違いは多々あるものの、全責任を受け入れて深くお詫び申し上げる。信頼回復や再発防止のため、コンプライアンス教育の徹底、営業活動の見直し、業務改善を行い、原因を徹底的に究明し、同様の問題を再び起こさないよう改善策を実施する」とコメントしている。
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