三栄建築設計(東京都新宿区)は9月29日、オープンハウスグループによる普通株式の公開買付け(TOB)が28日付で成立したことを明らかにした。株総数の93%に当たる1973万5327株の応募があり、買付け定数の下限である1414万4700株を上回ったことから、10月5日付でオープンハウスグループの子会社となる。買付け価格は普通株式1株につき2025円。総額は約399億円。
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同社は、創業者で元社長の小池信三氏が反社会勢力に利益を供与した問題への対応として、小池氏の影響を社内から排除する目的で、オープンハウスによるTOBを受け入れる意思を示していた。
今回のTOB成立により三栄建築設計は、東京証券取引所プライム市場における上場を廃止。オープンハウスグループによる議決権所有割合が50%以上となることから筆頭株主となった。残りの株式についても同社グループが取得する予定。さらに創業者で元社長の小池信三氏と、その配偶者が代表取締役を務めるレイチェル社についても、小池氏が所有する1354万2200株と、会社が所有する8万800株を同社グループが取得することとなっている。
三栄建築設計は2022年9月、元社長の小池氏ほか3人が、反社会的勢力への関与の疑いがあるとして、警察当局から会社法違反(特別背任)の捜索を受けた。さらに2023年6月には、暴力団組員に利益を供与したとして、東京都公安委員会から東京都暴力団排除条例の規定による勧告を受けている。この時、経営を立て直す目的で現社長の千葉理恵氏が社長に就任したが、その後も小池氏が同社の株式を所有し続けていたために、事業運営に支障が生じる懸念があった。
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