YKK AP(東京都千代田区)は9月28日、首都圏エリアに向けた住宅用商品の供給体制の強化や2024年問題に対応するため、配送拠点「ESR加須ディストリビューションセンター2」(埼玉県加須市)内に、物流拠点「首都圏DC(Distribution Center)」を開設した。10月2日から稼働する。使用面積は1・2階合わせて2万6202㎡。設備投資額は2億円。
「首都圏DC」は在庫を保管し受注に応じて出荷する保管型物流拠点。これまで1都7県の首都圏エリアへの供給は、全国の製造・物流拠点から商品を輸送していたが、首都圏エリア内に「首都圏DC」を開設することでトラックドライバーの夜間・長距離輸送の回数を削減する。また、需要予測に基づいた適正在庫の管理でリードタイムを確保し、輸送距離700km以上はトラックから鉄道や船舶に転換するモーダルシフトを推進。各物流拠点の在庫バランスを適正化し、モーダルシフトによる2025年度のCO2排出量30%削減(2022年度比)を目指す。
構内作業には棚搬送型ロボットを導入し、作業者のいる場所へロボットが在庫保管棚を運んでくるGTP(Goods To Person)システムを運用。定位置にいながらピッキングと100トラック方面の仕分けが1度に実施可能となり、構内作業の省人・省力化を実現する。
物流業界が抱える人材不足や長時間労働、宅配物の急増や環境問題などの課題に対し、同社は物流効率化や生産性向上への取り組みを進めてきた。今回開設する「首都圏DC」では、物流DX・ロボティクス化を推進し「物流の2024年問題」に向けた安定供給体制の構築を実現するとしている。
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