政府は9月26日、新内閣発足後初となる「経済財政諮問会議」を首相官邸で開き、今後の重点課題や金融政策などについて議論した。その中で、少子高齢化や人手不足などの課題に取り組むこと、エネルギー関連価格の高騰に伴う物価高対策について国民に十分に説明を行うことを示した。政府は今回の議論の内容を踏まえて、10月末を目途に経済対策を取りまとめ、補正予算に反映させる考え。
重点課題では、少子高齢化が進む中での経済や財政、社会保障の持続可能性について議論した。2040年までに生産年齢人口が約1200万人減少する一方で、65歳以上の人口は2043年まで増加する見込みで、その対策として70歳までの就労促進や医療提供の改革が急務であると指摘。また中位所得層の形成・拡大に向けて、所得の拡大や福祉向上を図る必要があるとした。
今後3年間の経済対策については、まずは燃料油価格、電気・ガス料金の激変緩和措置を実施。次に地方中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ、若い世代の所得向上などに取り組む。また価格転嫁が進んだ企業ほど賃上げ率が高くなるという調査結果を踏まえて、価格転嫁の円滑化と生産性向上に向けた投資を継続する。他に国土強靱化や防災・減災など、国民の安全・安心の確保への対策を重要な柱として掲げた。
首相「適温経済の新たなステージへ」
会議後、岸田文雄首相は「長年続いてきたコストカット型の経済から、活発な設備投資や賃上げ、人への投資による経済の好循環を実現し、経済の熱量が感じられる、適温経済の新たなステージへの移行を確実に進めることが重要」とコメント。西村康稔経産大臣は「地方や中堅・中小企業に、人手不足や物価高を乗り越える体力を付けてもらうことが必要。事業再構築補助金などにより企業の新たな挑戦を応援していきたい」と述べている。
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