これまで3件の雨漏り補修事例を通じて、事前調査のポイント、雨漏りの仕組み、適切な補修法などについて紹介してきた。今回は雨漏りを防ぐうえで重要な、一次防水、二次防水、そして屋根や外壁の通気層について説明する。
私が雨漏り補修の仕事をしていて、常々感じているのは、「当たり前のことを当たり前にやっていれば雨漏りの発生はもっと抑えられる」ということだ。
そもそも現在の家づくりでは、一次防水、二次防水の仕組みがあり、サッシなどの建材の水密性能も高い。セオリー通りにきちんと施工していれば、建材の劣化等がない限り、そうそう雨漏りは起きないようになっているはずなのだ。
しかし、現実には「この施工者や現場監督は建材の取扱説明書に目を通したことがあるのだろうか」と疑うような、間違った施工をしていたり、明らかに防水に対して認識不足な仕上げをしていたりする。特に防水シートや通気層については、役割や特性、注意点などがあまり知られていないのではないか、という気がしてならない。
一次防水と二次防水の両方が正しく施工されないと雨漏りにつながる
あらためて住宅の防水の仕組みについて整理してみよう。住宅の外装面を構成する「屋根材」や「外壁材」について建物を風雨から守る防水層とするなら、これら外装面は「一次防水」ということになる。
しかし・・・
この記事は新建ハウジング9月30日号4・5面(2023年9月30日発行)に掲載しています。
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