帝国データバンク(東京都港区)が毎月実施している時間外労働の状況調査で、8月の建設業の時間外労働時間DIが2カ月連続で上昇したことがわかった。時間外労働時間DIは、前年同月と比べて時間外労働時間が「非常に増加した」~「非常に減少した」までの7段階で質問し、算出。DIが50より高ければ増加、低ければ減少を表す。
8月の建設業の時間外労働時間DIは48.8だった。建設業全体では50を下回っているが、「はつり・解体工事業」(54.4)や「内装工事業」(52.4)などでは時間外労働時間が大きく増加している実態が浮き彫りになった。企業からは「更新事業を中心に民間の設備投資が好調」との声があがる一方、「工事単価が下がり気味になっている」など、価格競争の激しさは依然として続いている。
帝国データバンクの試算によると、7月と8月の所定外労働時間は前年同月より0.2~1.6%程度減少したと推計されるが、建設業では2024年4月から時間外労働の上限が罰則付きで規制されるため、適正な人員の確保、人手が不足するなかでのさらなる事業効率化が必要となっている。
調査期間は2023年8月18日~8月31日。調査対象は全国の建設業4876社、有効回答企業数は1798 社(回答率 36.9%)。
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