信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、小田原ハウジング(広島県呉市)が9月21日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことがわかった。負債総額は約3億8000万円。同日、関係会社のリンク(同)も自己破産申請の準備に入ったが、負債額は現在調査中。
《注目記事》建設業者倒産に歯止め効かず 過去5年で最多ペース
同社は1999年に設立し、呉市や広島市、東広島市をエリアとして木造戸建住宅、アパートの新築・リフォーム工事を主体に手がけていた。天然の無垢材を使用するほか、耐久性や換気性能の高い工法、デザインを強みに受注を伸ばし、2013年12月期には年売上高約6億9900万円を計上していた。
その後、同業者との競合が激化。大型案件の落ち込みに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により商談機会が減少し、2022年12月期の年売上高は約5億8700万円にとどまった。採算性が低迷して財務内容は債務超過の状態が続く中、家づくり相談会を開催したり、SNSを活用した宣伝活動を行ったりするほか、2020年9月には木工所を新設してオリジナル家具の小売りを開始するなど業況改善に努めたが、厳しい資金繰りを余儀なくされ、ついに支えきれなくなった。
関係会社のリンクは、2015年に設立した飲食店で広島市内の大型商業施設内にて西洋料理店「seaside&stylePachiPachi」を運営するほか、店舗の2階を小田原ハウジングのショールームとして活用していたが、同社に連鎖するかたちで倒産した。
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