北九州市はこのほど、独自の省エネ基準「北九州市健康省エネ住宅 kitaQ ZEH(キタキューゼッチ)」を策定した。2050年ゼロカーボンシティの実現に向け、いわゆるG2.5水準の断熱性(UA値0.38W/㎡K以下)を規定。パッシブデザインや冷暖房計画なども要件に加えた。9月21日には民間の住宅事業者団体2団体と、北九州市健康省エネ住宅の普及促進などに関する連携協定を締結している。
同市は昨年、住生活基本計画改定案に「健康省エネ住宅推奨基準」として独自基準の案を盛り込んだ。今回策定された北九州市健康省エネ住宅の基準は、昨年の案をもとに、設計上の工夫や設備についても要件を追加した。
必須要件は、①断熱性能、②気密性能(C値1.0㎠/㎡以下)、③パッシブデザイン、④冷暖房計画、⑤壁内部の結露防止(結露計算)、⑥省エネ・創エネ設備(創エネ設備は費用・効果の説明)、⑦エネルギーマネジメント(HEMS等の説明)、⑧技術資格(指定の研修修了者による設計・施工)―の8つ。さらに、湿度管理や太陽光発電の自家消費などを「検討推奨項目」とした。
同市と連携協定を締結したのは、北九州住宅産業協会(会長=中屋敷善三・なかやしき会長)、北九州住宅懇話会(会長=佐藤泰生・大和ハウス工業北九州支店住宅営業所長)。住宅の脱炭素化に向けた、民間事業者団体との協定締結は政令市では初となる。今後、市は情報発信などと並行して技術研修を実施し、両団体は各事業者に受講を促進していく。
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