建設費や住宅ローン金利の上昇、既存在庫の逼迫などが重なり、米国における住宅価格の高騰とそれにともなう住宅のアフォーダビリティ(住宅の適正費用負担)の問題は長期間にわたって深刻なものとなっている。米S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスがこのほど発表した「S&Pケース・シラー住宅指数」で、米住宅価格が上昇を続けていることが明らかになった。
S&Pケース・シラー住宅指数は2000年1月の住宅価格を100として指数を算出したもので、6月の指数は308.25だった。前月比では0.93%、年初来では4.73%の上昇となる。指数は2022年6月から7か月連続で下落していたが、2023年2月に反転。5か月連続で上昇し、前年同月比でほぼ横ばいの水準まで上昇した。
米国勢調査9区分の住宅価格から算出される指数(全米)とは別に米20都市圏の住宅価格から算出される指数(20都市圏)は314.86で、前月比で0.94%、年初来で5.45%共に上昇している。
6月は季節調整前・調整後共に20都市圏全てにおいて住宅価格が上昇。過去12か月間では、10都市で価格が上昇している。前年同月比で最も上昇したのはシカゴ(+4.2%)で、クリーブランド(+4.1%)、ニューヨーク(+3.4%)がそれに続いた。
同時期に発表された米連邦住宅金融庁による「FHFA住宅価格指数」にも米住宅価格の高騰が反映されており、2022年第2四半期から2023年第2四半期にかけて3.0%住宅価格が上昇したことが報告されている。
地域別では42州で住宅価格が上昇しており、年間上昇率はメイン州が最も高く+7.6%、次いでコネチカット州とニューハンプシャー州が7%以上の年間上昇率を記録している。一方で年間下落率が最も高かったのはネバダ州で-5.3%、次いでコロンビア特別区とユタ州、アイダホ州が-4%以下の年間下落率を記録した。
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